傷跡・ニキビ跡(キズあと・ニキビあと)治療は河田外科形成外科が特に力を入れている診療のひとつです
ケガや手術のあと、しばらくたっても残ってしまったキズ ”あと” の治療について解説します
新しいキズ、ケガはこちらをご参照下さい
ニキビ・ニキビ跡はこちらもご参照下さい
📖目次
-キズあと・ニキビあと の 原因 と 初期対応
-キズあとの種類と原因
①色が気になるキズあと
–茶色のキズあと
-赤色のキズあと(ニキビ跡)
-青色・黒色のキズあと
-白色のキズあと
②凹凸、膨らみが残るキズあと
-凹凸が目立つキズあと(ニキビ跡)
-盛り上がったキズあと 肥厚性瘢痕
-赤く増殖するキズあと 真性ケロイド
まとめ 無料相談メール
手術やケガ、ニキビ等で皮膚が損傷を受けた後は創傷治癒という過程で傷が治っていきます。皮膚の損傷程度によって傷あとが残ることがあります。
具体的にはキズの深さ・広さ・血流・感染の有無等で治り方が大きく異なります。
残った傷跡は医学的には瘢痕<はんこん>と呼び、きずのでき方や治り方によってさまざまな色や形があります。
キズあと・ニキビあとが気になる時はまずは相談を ・・・時には待つことも大切です
手術やケガからの期間が短い(半年~1年)時は下記の対応をすることが多いです。
◎きずの安静や固定、圧迫が必要な時はテーピングやスポンジを用います。
◎色素沈着(茶色の傷あと)の防止もしくは軽減のためクリーム(ハイドロキノンやトレチノイン)を処方することがあります。
◎炎症の強いニキビはニキビ治療を優先させます。
◎いったん何もせず1~数か月毎に様子を見ることもあります。
手術やケガから長期間(半年~1年以上)経過しても残る傷跡はそれ以上様子をみても変わりにくくなります。
➡『キズあと治療』によって目立たないキズを目指していきます。
当院では、色や形(凹凸、盛り上がり)等、キズの性状に合わせた治療を提案致します。保険適用の治療から保険適用外のものまで幅広く取り扱っています。
1⃣ 色が気になる傷跡
浅い擦り傷や火傷の後などになりやすい傷跡で、炎症で過剰生産されたメラニン色素が皮膚に溜まった状態です。殆どは1年以内に改善しますが、ハイドロキノンやトレチノインといったクリームを使用することで改善を早めることができます。
1年以上経過しても残った外傷性色素沈着は消えにくくレーザー治療(一部保険適用)の適応となります。
使用するレーザー
Qスイッチルビーレーザー
ピコレーザー
茶色 治療症例
皮膚の血管が増加・拡張し残った状態です(外傷性毛細血管拡張症)。大抵1年程度で改善しますが、残る場合があります。赤いニキビ跡もこれに含まれます。
(1年以上経っても赤味が残る傷跡は)レーザー治療で赤みを薄くする治療を行っています(一部保険適用)。
使用するレーザー
VビームⅡ(パルス色素レーザー)
ジェントルマックスプロ
(ロングパルスヤグレーザー)
赤い色に吸収されやすい特徴を持ったレーザーを使用します。毛細血管を徐々に細く、消失させていきます。Vビームは強力ですが、紫斑(内出血)形成します。ジェントルマックスプロはダウンタイムが殆どありませんが回数が必要です。
赤色 治療症例
☞治療後の内出血
Vビーム(パルス色素レーザー)は一次的に紫斑(内出血)になる事が多いですが、数週間で消退していきます ▷▷
外傷性色素沈着の一種ですが、泥やアスファルトの粉等の異物が皮膚内に残り、刺青(いれずみ)様に青く見えるものを外傷性刺青といいます。自然に消えることはほとんどありません。
受傷後6か月以上経過しても色素が残った場合はレーザー治療の適応となります(保険適用)。
使用するレーザー
Qスイッチ付ルビーレーザー
モデルIB101®
ピコレーザー
ピコウェイ®
黒~濃い青色に吸収されやすい特徴を持ったレーザーを使用します。深いところにある、色素を取り込んだ細胞を破壊し、マクロファージ等による消化で徐々に薄くしていきます。
青色・黒色 治療症例
創傷治癒の過程は終わったものの、幅や面積が広い場合はキズあとが白く目立つことがあります。成熟瘢痕(せいじゅくはんこん)と呼ばれ、自然に消えることはありません。しばらくたった妊娠線(肉割れ)もこれに含まれます。
1)切除
キズあとを切除して再縫合することで幅や面積を減少させることを目的とします。
2)植皮
傷の範囲が広い場合は皮膚の移植をする場合があります。
3)レーザー
レーザーで正常皮膚との境を目立たなくする治療もあります(保険適用外)。
使用するレーザー
炭酸ガスフラクショナルレーザー
DEKA SmartXide
エルビウムヤグレーザー
FOTONA
傷の一部を蒸散させることで周囲との境目をぼかすように目立ちにくくしていきます
2⃣ 凹凸、膨らみが残るキズあと
炎症による真皮層の破壊や癒着により皮膚に凹凸を生じた傷跡です。『クレーター』と呼ばれることもあります。
凹みの状態によってボックス型、ローリング型、アイスピック型などに分類されますが多くは混在しています。
・ボックス型:凹みの境界が垂直に近く、比較的はっきりしたニキビ跡のことです。大きさはさまざまで、ニキビ跡としては多いタイプです。比較的難治性ですが、レーザー治療等により目立ちにくくすることが可能です。
・ローリング型:緩やかにくぼんでいて角がない、直径が4〜5ミリ以上のニキビ跡のことです。凹みの底が癒着により皮膚が凹んでいるため、ひきつれたように見えることもあります。サブシジョンという癒着を剥がす治療に適した凹みです。
・アイスピック型:上から見ると小さく細かい跡ですが、真皮の深いところまで到達しているため難治性です。
・皮膚表面に刺入した針から高周波を照射し同時に薬液によってコラーゲンを増生させ、凹凸を解消させる治療(POTENZA ポテンツァ)
・点状に細かくレーザーを照射し、凹凸を目立ちにくくするレーザー治療(フラクショナルレーザー)
・凹みのある箇所の皮膚を皮下の硬い組織から剥離(分離)するサブシジョン
等があります。
使用機器
ポテンツァ
(POTENZA)
フラクショナルレーザー
ポテンツァは内側からの引き締めとコラーゲンの増生、フラクショナルは外側から凹凸の解消とコラーゲンの増生を行います。
盛り上がったキズあとは肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)という状態になっていることが多いです。ケガ時の傷の状態が悪かったり創傷治癒の過程で皮膚の成分が過剰に増えて生じた瘢痕です。
1)圧迫
初期のころはスポンジで圧迫することでふくらみを抑えることができます。
2)再縫合
切除再縫合することでより目立たない傷跡になる可能性があります。
3)高周波・レーザー
使用機器
色素パルスレーザー
(Vビーム)
赤みの強い場合はVビームで赤みが消退する可能性があります
皮膚の過剰反応による傷跡です。胸の中心や肩、顎にできやすく、キズの範囲を超え徐々に大きく盛り上がる傾向があります。体質によっては虫さされのあとのような小さなキズからケロイドになる方もおられます
1)圧迫
肥厚性瘢痕と同様、スポンジを貼ってテープで圧迫することでふくらみの悪化を抑えます。
2)ステロイド外用または注射
ステロイドの外用(エクラープラスター)や注射(ケナコルト)を行います。過剰な炎症を抑え、平坦化を目指します。赤みの強いふくらみや、かゆみに対してはステロイド注射が有効です。
3)レーザー
使用レーザー
色素パルスレーザー
(Vビーム)
ロングパルスヤグレーザー
(ジェントルマックスプロ)
ケロイド内の血管を収縮させる目的でレーザー治療を行うこともあります。赤みの強いものに対しては有効です。
Vビーム(パルス色素レーザー)ロングパルスヤグレーザー
4) 手術(+電子線治療)
ケロイドは再発しやすく、耳たぶのような一部を除いて原則的に全切除は行いません。
ボリュームを減少させる目的でケロイド内切除をおこなうこともあります。
切除手術と電子線治療の併用治療をご希望の方は総合病院をご紹介します。
まとめ
キズあと、ニキビあとの治療ですが、お分かりいただけましたでしょうか?
まだ時間が経っていない(創傷治癒の過程である)・炎症が落ち着いていない段階では侵襲的な治療をせずに経過を見ます。その段階で外的な刺激を与えるとかえって悪化する恐れがあります。
落ち着いた段階で初めてキズあと、ニキビあとの治療を開始します。
色や形に応じて様々な治療選択肢をご用意しておりますので、お気軽にご相談下さい。
無料相談メールはこちら