手術やケガで皮膚がダメージを受けた後は創傷治癒という過程によって傷が治っていきます。軽度の場合は、ほとんど残らず治りますが、皮膚の深い層にダメージが及ぶと傷跡が残る可能性が高まります。
皮膚に残った傷跡を医学的に「瘢痕-はんこん-」と呼びます。
ダメージの大きさによって傷跡の色や形状が異なってきます。

手術やケガから1年以上経過しても残っている傷跡は、それ以上経過をみても改善が見込めないことが多いですが、形成外科の技術を用いて「より目立ちにくく」できる可能性があります。

Dr‘sコラム「傷あと・ニキビあとの治療」について


傷跡は大きく2つにわけることができます

  • 茶色の傷跡(外傷性色素沈着)
  • 赤色の傷跡(外傷性毛細血管拡張)
  • 青色の傷跡(外傷性刺青)
  • 白色の傷跡(熟成瘢痕)
  • 皮膚表面が凸凹になった傷跡
  • 傷の状態が悪かったために盛り上がった傷跡
  • 注射や虫刺されなどの後や原因がはっきりしないのに赤く盛り上がり増殖する傷跡

浅い擦り傷や火傷の後に残りやすい傷跡です。
メラニン色素が皮膚の表面に溜まった状態でほとんどは1年以内に改善します。ハイドロキノンやトレチノインといったクリームを使用することで改善を早めることも期待できます。
1年以上経過しても残った色素沈着はレーザー治療(Qスイッチルビーレーザー、ピコレーザー)を行うことで薄くなる可能性があります。

  • 外用薬(ハイドロ・トレチノイン)
  • Qスイッチルビーレーザー
  • ピコレーザー
症例写真

  • 保険適用外

傷が治る時に増加した皮下の血管が拡張したまま残った状態です。
1年程度で改善することも多いですが、長く残る場合もあります。赤いニキビ跡などもこれに含まれます。
1年以上経過しても赤みが残る傷跡はレーザー治療(Vビーム、ロングパルスヤグレーザー)を行うことで赤味が薄くなる可能性があります。

  • VビームⅡ(パルス色素レーザー)
  • ジェントルマックスプロ(ロングパルスヤグレーザー)
症例写真

青色の傷跡(外傷性刺青)

  • 保険適用外

深い擦り傷で生じることがあり、傷が治る過程で泥やアスファルトが皮膚の深部に残ると刺青のようになって青く見えることがあります。自然に消えることはほとんどありません。
受傷後6ヶ月以上経過しても色素が残っている場合はレーザー治療(ピコレーザー、Qスイッチルビーレーザー)の適応です。

  • Qスイッチ付ルビーレーザー
  • ピコレーザー

白色の傷跡(熟成瘢痕)

傷は正常に治っても、幅や面積が広い場合は傷跡が白く目立つことがあります。リストカット、根性焼き、白い妊娠線などが対象です。これらは自然に消えることはありません。
傷跡を切除して再縫合することで幅や面積を減少させる手術、皮膚移植、正常皮膚との境目をばかし目立たなくするレーザー治療、アートメイク、ポテンツァで治療することが可能です。

レーザー治療5回

皮膚表面が凸凹になった傷跡(萎縮性瘢痕)

ニキビ跡の凸凹のように、皮膚の炎症が長く続いたためにコラーゲンが委縮し凸凹が生じた傷跡です。
皮膚表面に刺入した針から高周波を照射すると同時に薬液によって引き締めるポテンツァ治療や、点状に皮膚を焼却し引き締めるフラクショナルレーザーによって凸凹の程度を目立ちにくくしていきます。

赤く盛り上がった傷跡(肥厚性瘢痕・ケロイド)

肥厚性瘢痕は受傷時の傷の状態が悪かったり、傷の治癒が遅れたことで生じた瘢痕です。初期の頃はスポンジを貼りテープで圧迫することで膨らみを抑えることができます。時間が経過したものは、再縫合することでより目立たない傷跡になる可能性があります。
瘢痕の状態によっては皮膚表面に刺入した針から高周波を照射すると同時に薬液によって引き締めるポテンツァや点状に皮膚を焼却し引き締めるフラクショナルレーザーを行う場合もあります。

  • 圧迫治療
  • 再縫合
  • VビームⅡ 色素レーザー

真性ケロイド

注射や虫刺されなどの小さな傷から生じる皮膚の過剰反応による傷跡です。徐々に大きくなる傾向があります。
スポンジを貼り圧迫することで膨らみの悪化を抑えることが可能です。痛みや痒みなどの自覚症状にはステロイド外用(エクラープラスター)やステロイド注射(ケナコルト)を行います。膨らみに対しては注射が有効です。また、ケロイド内の血管を収縮させる目的でレーザー治療を選択することもあります。真性ケロイドの全切除は再発するため、耳たぶのような一部を除いて原則的に行いません。(ボリュームを減少させる目的でケロイド内を切除することもあります)
切除手術と電子線治療の併用治療をご希望の方は大学病院をご紹介できますので一度ご相談ください。

  • 圧迫治療
  • ステロイド外用薬または注射
  • VビームⅡ 色素レーザー
  • ロングパルスヤグレーザー(ジェントルマックスプロ)

Dr.からのコメント

ケガの痕の治療としては一般的に切除やステロイド注射が行われますが、当院ではその他にもフラクショナルレーザーやパラメディカルアートメイクによる治療(保険適用外)も行っております。
傷あとの状態やご希望によって選択可能なので、ご相談お待ちしております。

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