Dr'ｓコラム Dr's column

豊胸術 ～当院で脂肪注入豊胸を行わない理由～

2024/01/07

理想のバストを手に入れるため豊胸術を希望される方は多くおられます。
河田外科形成外科では30年にわたって改良を重ねながら、豊胸術を行っています。

現在は、①美しさ、②安全、③低侵襲（体へのダメージの少ない治療）を両立できるシリコンバックを用いた豊胸術を主に提供しております。
シリコンバックは安全性の認可を受けた製品（モティバ、シエントラ等）を使用します。
シリコンバック豊胸は確実かつ半永久的に理想の大きさが実現できる豊胸です。
大きさや形状が自由に選べるのと、抜去や再挿入が比較的容易に行えるという利点があり、美しさと安全性を両立できる施術です。
施術は大学病院やナグモクリニックでバストの美容と健康に関する研鑽を積んできた乳腺専門医、大学病院でバストをメインに担当していた形成外科専門医が合同で施術を担当します。

📖目次　

▶河田外科形成外科の豊胸術　
▶当院で脂肪注入による豊胸を行わない理由

河田外科形成外科の豊胸術

◆当院の豊胸術の特徴
①乳腺外科医が乳房に病気が隠れてないか超音波や場合によってマンモグラフィー等で確認
②3Dカメラで希望のメーカーのバック、大きさで術後のシュミレーションを行う
③切開部位は腋窩切開、乳房下溝（アンダー）切開から希望に応じて選択可。術後のキズが殆ど目立たないよう小さな切開創から超音波で適切な層を把握しながら挿入。形成外科の技術で縫合。手術は両側で1時間ほどで終わります。
④シリコンの挿入部位は、乳腺下、胸筋下のそれぞれの特徴を理解して頂いた上でご希望に応じて選択可。
⑤術後は生涯フォローアップ。超音波を用いてリンパ液が溜まっていないか、バックの状態が正常かどうか（破損がないか）確認すると同時に乳がん検診も行う。シリコンバックに対応したマンモグラフィーも導入しています。

↓３Dカメラを用いて乳房の測定、ご希望の種類・大きさのバックでのシュミレーションを行います↓

河田外科形成外科の豊胸手術についての詳細・症例写真はこちらhttps://kawada-keisei.gr.jp/department/bust/breast_augmentation/

河田外科形成外科で脂肪注入による豊胸を行わない理由

現在、美容クリニックで行われている豊胸術では”脂肪注入”が比較的有名です（最近はまたシリコンインプラントが増えてきたと聞いています）。脂肪注入は脂肪吸引器と注入器があれば比較的簡便に施術することが可能で、形成外科・美（容分野では有用な場面もあります。しかし当院では豊胸において、脂肪注入による施術は行っておりません（乳房再建の補助的な使用では可能）。乳腺外科医が様々な脂肪注入後の経過をみてこの判断になりました。理由は以下の通りです。

①ボリュームの維持が難しい

施術直後は腫れもあり柔らかなバストができたように感じるが、その後吸収されていくので思ったボリュームの維持が難しいことが多い（個人的な経験では1年後に半分残っていれば良いほう）。ボリュームが足りないと2回以上の手術が必要になり、より高額な費用が必要になる。

②侵襲（体へのダメージ）

乳房とは別に脂肪を採取する場所の侵襲（体へのダメージ）が少なからずあり、傷あと、肌の凹凸、皮下出血などのリスクを伴う。

③しこりの形成

注入された脂肪が頻繁にしこり（脂肪壊死やオイルシストと呼ばれるものです）になったり石灰化（小さく硬い石のような物質を発生させること）を起こす。しこりや石灰化があるとゴリゴリと硬く触れるのが気になるばかりか、乳がん検診の時に良性と悪性の区別がつきにくくなる。

③に関しては美容クリニックの多くは超音波やマンモグラフィーがないので、きちんとフォローアップがされていないのが現状です。脂肪注入はご自身の脂肪を使うので安全そうに聞こえますが上記のリスクがあり、一旦しこりになってしまうと取り出す為には注入した時よりも大きな傷、ダメージを伴う手術が必要となります。

◆まとめ◆
上記の理由で河田外科形成外科では脂肪注入による豊胸は行っていません。
当院は形成外科学会の乳房増大用（豊胸用）インプラント実施施設にも認定されており、シリコンバック豊胸は保険でも認められた安全なもの（モティバエルゴノミクスを含む）を使用します。
キャッチーな広告で消費者の目を引くクリニックが数多とありますが、美容医療はあくまで医療なので、安全性を考えて受診するようお願い致します。

最後に、当院では脂肪注入豊胸をしておりませんが、他院で脂肪豊胸後の方のご相談や乳がん検診を含めた診察が可能ですので、お気軽にお尋ねください。

文責：河田外科形成外科常勤・ナグモクリニック非常勤　乳腺専門医・バスト担当　河田健吾