11/8-11/9に東京で開催された日本臨床毛髪学会に出席してきました!
色々と面白い演題が多かったですが、特に東京メモリアルクリニックの栁澤先生が出されていた、
AGA(男性ホルモンに起因する薄毛・脱毛症)に対するミノキシジル内服(飲み薬)の日本人のデータは非常に勉強になりました。

私も以前東京メモリアルクリニックに見学に伺い、栁澤先生にAGAの薬物療法や植毛術の事等いろいろと教えて頂いたことがありますが、しっかりデータをとられていて素晴らしいクリニックです。
ミノキシジルはAGAの治療薬として、世界中で主に外用薬(塗り薬)で広く使用されています。
しかし近年、内服(飲み薬)の有効性に関しても国内・海外の論文で示されるようになってきました。
しかし内服となると副作用が気になるところです。ミノキシジル内服の副作用は一般に多毛症が最も多く、その他頭痛、浮腫(むくみ)、動悸等、心臓への負荷が懸念されているところです。
ただ5mg以下の低用量では重篤な副作用は殆ど起きないという報告もございます↓
Low-Dose Oral Minoxidil and Associated Adverse Events: Analyses of the FDA Adverse Event Reporting System
(FAERS) With a Focus on Pericardial Effusions J Cosmet Dermatol 2025 Jan;24(1):e16574. doi: 10.1111/jocd.16574. Epub 2024 Sep 26.
本学会で示されたのは日本人を対象にした比較的大規模なデータですが、
重い副作用はなく、わずかに存在した動悸等に対しては減量や中止等の対応を行い特に問題が無かったとのことでした。
当院では安全性のエビデンスが少ない事や海外輸入製品の濃度や製造過程が不確かな事から、これまでミノキシジル内服治療に対しては慎重なスタンスでしたが、
外国人や日本人を対象にした臨床成績や製造の信頼性(東京メモリアルクリニックの製薬工場で作成したものを使用。実際私も見学に行きました)が得られたので、
今年から医師との相談の上同意を得られた方のみ、多くはフィナステリド等との併用でミノキシジルの内服薬(5mgと2.5mg)の処方を始めました。
※医療現場において、他に治療の選択肢がない場合、医師は患者のために最も有効と判断した医療行為を自身の裁量で行うことができます。未承認薬の使用もこの裁量の範囲に含まれます。
当院薄毛治療HP
その他、女性の薄毛の最新の知見を集めたセッションも面白かったですし、タイの植毛術で有名なSaran Pholsen先生にも直接伺い植毛術の際の合併症の予防法等について色々為になることを教えて頂きました。

女性の薄毛はFPHL(Female pattern Hair Loss)と呼ばれ様々な原因や疾患概念を含みます。私たちは原因を推察し、男性の薄毛とは異なった視点を持ちながら診察に当たらなければなりません。→女性の薄毛治療
当院の植毛術は毛を剃らなくても良いFUT採取と毛並みを再現できるchoi式植毛です。こちらも興味があれば是非、当院植毛HP・医師コラムを参照下さい。

文責:河田 健吾
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